二月の行事  「立春」

【二月の行事-立春】

旧暦では立春のその日からが新年。新しい一年の始まりです。

冬至と春分の真ん中で、まだまだ寒いながらも、暦の上ではこの日から春。

 

梅の花が咲き始め、徐々に暖かくなります。

 

そんな立春のイメージで選んだお酒は、紅白のパッケージが何ともお目出度い「博多練酒」。

練酒(ねりざけ)とは日本酒の一種で、古代酒の原型を留めているといわれます。室町時代のいくつかの文献にも「練貫酒(ねりぬきざけ)」としての記述がみられ、当時、京都で珍重され、西国からの土産物や贈り物として、大変人気が高かったことが伺えます。

「博多練酒(はかたねりざけ)」は、太閤秀吉も三大美酒に数えたという博多名産の地伝酒を、今に復刻させたお酒。

戦国時代には出陣の景気づけに飲まれ、その後も博多では祝いの席や五節句などに用いられていたのだとか。

70%にまで精白した米ともち米を乳酸発酵させ、この乳酸液に米麹と蒸した米、水を入れて再び発酵。そのもろみを「臼ですり」、さらに「絹でこして」できあがります。日本独特のお酒「清酒」の製法も、本質的にはこの過程を経て造られるようなので、練酒はまさに日本酒の原点ともいえますね。

 

また、その後江戸で発達する白酒は、この練酒が起源であり、その製法を簡略して生まれたもののようです。

そして、立春のお菓子は「椿餅」。

椿という字は、「春、花が咲く」=春+木の合字です。それをツバキと読むのは、葉に光沢がある「艶葉木(ツヤバキ)」または葉に厚みがある「厚葉木(アツハギ)」が由来なのだそうです。

 

現在、椿餅は1~2月頃、和菓子店の店頭に並ぶことが多いようです。最近はあまり馴染みのない椿餅ですが、実はその歴史は古く、『源氏物語』にもその名が記されている日本最古の餅菓子です。

花見の季節には桜餅、端午の節句には柏餅、そしてそれらが登場する以前から日本に存在した歴史ある椿餅。それぞれ植物の葉でつつまれたものという意味でも御三家といってもよさそうですね。

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